完了した!

2016年3月25日(金)受難日礼拝 『完了した!』ヨハネ19:28~30佐々木俊一牧師
  イエス様はエルサレムの城壁の外側にあった、「ゴルゴタ(どくろ)」、ラテン語訳では「カルバリ」の丘で十字架にかけられて死にました。時はちょうど過越しの祭りの最中、金曜日の出来事でした。午前9時に十字架に付けられ、それが午後3時まで続きました。6時間という長い時間です。午後12時から3時までは、昼間なのに真っ暗闇になりました。その後、地震が起こって神殿の幕が上から下まで真二つに裂けた、と書かれています。
  4つの福音書の中に、十字架上でイエス様が語られた7つのことばがあります。その中のひとつのことばを、これから少しの時間見てみましょう。それは、イエス様が一番最後に語られたことばで、「完了した」ということばです。苦しみと痛みの極限状態の中で、イエス様はこのことばを発しました。ギリシャ語で「テテレスタイ」、その意味は、「完了した」のほかに、「支払済み」「もう十分」などの意味があります。また、このことばは、刑務所でよく使われていたことばでもありました。
  イエス様の十字架の上に打ち付けられた罪状書きには、「ユダヤ人の王ナザレ人イエス」とヘブル語、ラテン語、ギリシャ語で書かれてありました。ローマ帝国時代、犯罪者には罪状書きが与えられました。刑務所に入れられると、牢屋のドアの表側に、犯罪行為の内容が記された罪状書きが貼り出されました。この罪状書きは、囚人がその刑の任期が終わるまで貼り出されていました。任期が終了すると、ローマの役人がやってきて、罪状書きをドアからはがして、その上に一つのことばを大きく書きつけます。それが、「テテレスタイ(支払済み、もう十分、完了した!)」ということばでした。これで、もう罪状に書かれてあった罪は赦され、裁かれることはありません。その牢屋のドアは開かれ、囚人はそこから出て、自由の身になります。
  イエス様に与えられた罪状書きを見てお分かりのように、何の罪のないお方、神の御子なるイエス・キリストが十字架でその尊い血潮を流されたことによって、私たちは自由の身とされました。私たちに与えられた自由とはどのような自由でしょうか。少し考えてみたいと思います。
  ローマ6:6~7 「私たちの古い人が十字架につけられたのは、罪のからだが滅びて、私たちがもはやこれから罪の奴隷でなくなるためであることを、私たちは知っています。死んでしまった者は、罪から解放されているのです。」
このみことばから私たちは何を知ることができるでしょうか。イエス・キリストを信じる者は、古い自分が十字架につけられてしまったということを知ることができます。そして、古い人は死んでしまったということを知ることができます。さらに、新しい命を与えられた私たちには罪を犯さない自由が与えられているということを知ることができます。つまり、私たちは、罪を犯す自由ではなくて、罪を犯さない自由を選んで生きるように導かれているのです。
  ローマ8:1「こういうわけで、今は、キリスト・イエスにある者が罪に定められることは決してありません。」
イエス・キリストにある者とはどのような人でしょうか。それは、神の御子なるイエス・キリストが十字架でその尊い血潮を流されたことによって、自分が自由の身とされたことを信じている人です。その人は神によって罪に定められることはありません。罪から来る報酬は死です。しかし、信じる人は、その死から自由にされているのです。
  Ⅰヨハネ1:9 「もし、私たちが自分の罪を言い表わすなら、神は真実で正しい方ですから、、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。」
  Ⅰヨハネ2:1~2 「私の子どもたち。私がこれらのことを書き送るのは、あなたがたが罪を犯さないようになるためです。もしだれかが罪を犯したなら、私たちには、御父の御前で弁護してくださる方があります。それは義なるイエス・キリストです。この方こそ、私たちの罪のための、私たちの罪だけでなく全世界のための、なだめの供え物なのです。」
  私たちには二つの自由が与えられています。一つは、罪を犯さない自由です。そして、もう一つは、罪の裁きからの自由です。私たちは罪を犯さない自由を選ぶように導かれています。しかし、神様は人の弱さをご存知です。罪に関しては、神様の力に頼らなければどうすることもできない私たちです。もしもの場合には、イエス様が弁護してくださいます。ですから、イエス様に感謝し、イエス様をあがめましょう。いつも、イエス様を見上げて歩みましょう。「テテレスタイ!」罪に対してはすべてをイエス様が支払ってくださいました。すべては完了したのです。イエス様によって開かれた自由への道ゆえに、イエス様のその大きな愛に感謝し、その愛に応答して日々歩んで行きたいと思います。それではお祈りします。